2021年3月に読んだ本で面白かったやつまとめます。全然本読めない最近。
3月に読んだマンガでよかったやつ
3月、いろんな友人がマンガを貸してくれたり、面白マンガをレコメンドしたりしてくれたのでかなり豊作でした。ありがとう友人ズ。特によかったふたつ。
- 葬送のフリーレン
- 乙嫁語り
葬送のフリーレン
全人類におすすめの漫画こと『葬送のフリーレン』。友人に借りて爆ハマりしました。個別で記事建ててるのでこちらでどうぞ。葬送のフリーレン、本当に読んでほしい。
乙嫁語り
『乙嫁語り』、実は読んだことなかったです。好きだろうな〜と思ってたら、案の定好きだった。見えている落とし穴に落ちた気分。
舞台はウズベキスタンとかトルキスタンとかあの辺りの中央アジア。語り部は何人か居るんだけど、メインの主人公は12歳の遊牧民の男の子カルルクと彼に嫁いできた妻のアミルさん。
アミルさんが弓射るわ鹿も羊もバシバシ解体するわ馬乗り回すわですごい。カルルクくんと一緒に「綺麗……かっこいい……」と感動しきりだったんだけど、アミルさん、20歳なんですって。年下……!
最近、こういう「年上かと思ってたけど全然年下」みたいなことが多い。25歳ですしね……「いつまで経っても高校球児が年上に見える」みたいな現象の延長線上にある問題なのかな。俺は野球もできないし、弓も射ることもできないし、馬も乗れないよ。25歳なのに。
マンガ以外
すごい雑なまとめ方。今月は小説が全然読めなかった。筒井康隆の『文学部唯野教授』が読みかけで、あとは東直子の『とりつくしま』をちょこちょこ再読したくらい。
代わりにビジネス書っぽい本を少し読んだりもしましたが、まあ……よくはなかった。
マンガ以外のよかった本は以下。再読も含む。
- Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学
- ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ
- スティーブ・ジョブズの再臨―世界を求めた男の失脚、挫折、そして復活
- 乱読のセレンディピティ
- 柔らかい個人主義の誕生
Appleとスティーブ・ジョブズについての本
2月~3月のマイブームはAppleとスティーブ・ジョブズでした。出てくるエピソードがいちいち面白いのが好き。フランスの大統領(ミッテランだったかな?)と会食をする時でも、ジョブズは「フランス料理ヤダな パスタとかないの?」とか言ったりする。思いっきりイタリア料理やん。
あとはジョブズがAppleを追い出された時の抵抗の仕方も好き。以下は『ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ』からの引用。
「もういちど、取締役会の気持ちを変えさせる努力をしてみたい。『スティーブを返せ』という文字を入れたTシャツを作るんだ。昼休みに従業員を集めてそのTシャツを配ってくれ」
「無理だよ」
「そっか、でもとにかく、いいアイデアだよね」
Tシャツで抗議て。その頃は普通だったのかな……いまの会社で急に「社員全員でTシャツ着て取締役会に訴えよう」って声が上がったら「???」ってなりそう。
それから、Appleを追い出されてNeXTを起業するまでにジョブズがやろうとしてたことも笑った。以下は『スティーブ・ジョブズの再臨』からの引用。
たとえば、スペースシャトルチャレンジャー号打ち上げの翌年には、NASAに自分を乗り組ませてくれるよう頼み込むことを思いついた。モスクワを訪れた時には、頼みもしないのにやってきたテレビの修理技術者を、実際にスパイだと疑ってかかった。にも関わらず、彼は冷戦下のソビエトに定住して、学校で使うコンピュータをミハエル・ゴルバチョフに対して売り込むつもりでもあった。陰で暗躍する政治コンサルタントと話して、カリフォルニア州の上院議員の椅子がいくらで手に入るのかを訊いたことさえある。
やりてえ放題やってんなコイツ!!! とにやにやしてしまいました。
あとは自社で全ての部品を製造したいジョブズの意向を無視してドライブを外注する計画についてソニーのエンジニアと喋っていたら、急にジョブズが来た時のエピソードも好き。
ボブは椅子から飛び上がって、清掃用具の収納クローゼットの扉を開け、ここに入れ、と必死に手招きした。気の毒に、そのエンジニアは完全に面食らった。話し合いの真っ最中、なぜいきなりクローゼットに隠れなければならないのだろう?
掃除用具入れに押し込めるってね。学校じゃん。しかもそれで事なきを得た上に、Appleの自社製造ドライブは大失敗するという……
ビジネス書として読むというより、単純にエピソードの強さが面白くて全部読みました。ジョブズは急な配置転換に戸惑う社員のパソコンの電源をす〜ぐ引っこ抜いて別のフロアに持ってっちゃうし、何かと癇癪を起こすし、お風呂入らないし裸足で歩くしトイレの水で足洗うけど、やっぱり魅力を感じざるを得ない人物だなと思う。またなんか見つけたらAppleの本読みます。
乱読のセレンディピティ
こちらも再読。「よい読書法」についての本は何冊か読んだけど、この本が一番納得できる。「いつか読みゃいいんだよ」「いっぱい読みゃいいんだよ」「好きに読みゃいいんだよ」と言ってくれるのがいい。以下引用。
手当たり次第、本を買って、読む。読めないものは投げ出す。身ゼニを切って買ったものだ。どうしようと、自由である。本に義理立てして読破、読了をしていれば、もの知りにはなるだろうが、知的個性はだんだん小さくなる。
乱読がよろしい。読み捨てても決して本をバカにしてのことではない。かりそめの読者がしばしば大きなものを読み取る。
柔らかい個人主義の誕生
再読。2月に読み終わったばかりなんですが、読書メモを読み返したら8割くらい意味が分からなかったので雑に再読しました。
1984年ごろに書かれた「70年代ってなんだったんだっけ」「80年代、90年代ってどうなるんだろうね」みたいな話が扱われている本なんだけど、「どうなるんだろうね」の話が当たりすぎていてすごいです。この記事でなんとなく全体感はつかめるはず。
この本(とかその他の時代論)では時代をディケイドで区切って語るのが当たり前になってるけど、現代は10年ごとに分けることなんてもうできないだろうな。色々変わりすぎてるし。そう感じるのは10代・20代を2010年~2020年に生きたからという贔屓目もあるんだけども……みたいなことまで考えられる本です。時代を語るって難しいね。以上。
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