ユリ・ゲラーのアルバムばかり聴いている。あのユリ・ゲラーである。「ポケモンのユンゲラーってワシやろ。金払え」でいちゃもんつけてたうさんくさいスプーン曲げおじさんである。もうこれはごちゃごちゃ言うても仕方がないので、まずはぜひ聴いてみてください、
▼SongWhip
https://songwhip.com/%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%A9%E3%83%BC/uri-geller-remastered
▼Spotify
謎のヒーリングミュージックにユリゲラーが辿々しい日本語で蕩々とした語りを乗せるアルバムなんだけど、異様、というかもはや獣……それもやたら愛くるしい獣じみた”良さ”がある。アポカリプスを描写するM6.“The Day”なんかもいいのだが、特にM7.“I Cannot Answer you”とM11.“Mood”がいい。
ほんとうにお答えできないのです 微粒子の目からこぼれ落ちる 一筋の小さななみだ……
マジでなんもわかんないときに言いたいワードばかりで嬉しい。仕事とかでめちゃくちゃ詰められた時に「ほんとうにお答えできないのです……微粒子の目からこぼれ落ちる一筋の小さななみだ……」と返したら、上司どんな顔をするだろう。誰もがもう諦めて苦く微笑むんだろうな。
心を虚しくして ただ念ずるのみ
力がどんな働きをするのか 我、思念をそこに任せきろう
ただ無心に 何かを取り上げよう
それがフォークであれ スプーンであれ なんでもいい
もし曲がらなくても決して気を落とさないで
誰がやっても いつやっても起こるというものではないからです
ただチャンスにめぐまれなかっただけのこと
あるいはムードがしっくりしなかったのでしょう
「スプーン曲げするにも気分があるよね」って曲なんだけど、これも「そういうムードじゃなくてしっくり来ないから」で片付けるのがさっぱりしている。超能力ってそんな感じなんだね。
もうこのアルバムを聴いてからはユリゲラーのことばかり調べている。元々の理解は先述の通りうさんくさいスプーン曲げおじさんなんだけど、調べていけばいくほどそのイメージが払拭される……こともなく、やはりうさんくさいスプーン曲げおじさんのままである。強いて言えばお金稼ぎがちゃんとできる、人からどう見られるべきかをすごく考えているスプーン曲げおじさん。
「超能力者なら肉とか買わないほうがよくね？」と聞いてからすぐにベジタリアンになったりしてる。プロフェッショナルすぎる。あとこの記事の「ユリゲラーをベジタリアンにした男」という肩書きもいい。どこに引きがあるんだこのタイトル。
コロナウィルスのワクチン接種を受けながらスプーンをへし折る動画も良かった。「Let’s go now!」「60歳以上はみんな受けた方がいい」じゃないだろ。ワクチンが体に入った瞬間に折れてるのもおもしろポイントだし、折れたスプーンの柄を「え……ああ……ハイ……あざす……」と受け取る医者の顔もかなりいい。1分弱の動画にさまざまなエッセンスが盛り込まれている。
ユリ・ゲラーの車が折ったスプーンでめちゃくちゃに飾り付けられていたのもすごい。この人がもし戦国武将だったら、絶対討ち取った大名の頭蓋骨で酒飲んでたタイプだろうな。
「おそらく本物。裸の宇宙人で女性」超能力者ユリ・ゲラー氏が写真を投稿…デーブ・スペクターさんが分析
直近だと2023年の8月に「裸の宇宙人。本物です」とTwitterにあげたりしていたらしい。何をしているんだ。「女性」というディティールも絶妙。
じゃあいまもどんなトンチキ情報を発信してくれているのか…‥と思ってTwitterを覗いたのだけれど、彼はイスラエルのテルアビブ出身なので、いまは戦争についての発信が主。はやくユリゲラーが「宇宙人！本物だよ〜！」っつって騒いでる世界に戻ってほしいですね。
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