『心理的安全性のつくりかた』の感想と自分なりの要約

面白かったもの

心理的安全なチームとは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場」のことです。 p.22 石井遼介『心理的安全性のつくりかた』

石井遼介著の『心理的安全性のつくりかた』を読んだ。自分は18卒だが1回転職しており、会社に「後輩」という存在が基本居なかった。なので、正直チームビルディングについては、「される側」みたいな意識がある。

とはいえ、ようやく「同じ会社に2年以上勤める」の実績をアンロックした(銅トロフィー)し、なんか流行ってるし……ということで読んでみたら、ウウッ! と思うことが非常に多かった。めっちゃ効いた。

バカ売れしてたNetflixの本を読んで、自分の振る舞いがなんとjerk(嫌な奴)のそれだったことよと反省したのが1ヶ月前。
『心理的安全性のつくりかた』を読んだ今は、いかに「後輩」的な立場をフルに使って好き放題放言していたことよと猛省している。

新卒で入った会社や学生の時に働かせていただいた会社は「自分の意見は言うもの、言わないなら何も考えてないってこと」「声を発さないならお前がミーティングに出る意味ない」「社内の打ち合わせで喧嘩しないならどこで喧嘩するの」的な意見が強かった。打ち合わせでヒくくらいの喧嘩が起きて「大人こえ〜〜〜」と震えたが、喧嘩した当人たちは会議室を出れば仲良し……なんてことも多くて、「仕事ってこうなんだ」と感心した記憶もある。

そんなこんなで「年次低いし間違ってたら指摘もらえるやろ」の精神が植え付けられ、新卒の頃の自分も打ち合わせでガンガン前に出ていた。これはもう「心理的安全性」が先人の努力によって担保されまくっている理想の状態だったということです。

逆に、「打ち合わせで喧嘩しても殴り合えば俺たちはソウルメイト」的なカルチャーが浸透していない組織に急に入れられた時、「オラッかかってこいやッ」「取っ組み合いじゃ」のムーブをすると周囲を萎縮させるだけ。ましてや打ち合わせの場に自分より年次が若い人がいるのであればなおさらである。

『心理的安全性のつくりかた』にはチーム・組織の心理的安全性についての概説・心理的安全性を向上させる術について全5章立てで記されている。
読書メモを参照しつつ、重要そうなところ、初めて知ったこと、面白かったことを章ごとに乱雑にタイプしていこうかと。そんなに要約はできてないと思う。

第1章:チームの心理的安全性|心理的安全性についての概説

「心理的安全性 #とは」みたいな章。心理的安全性が妨げられる「対人関係のリスク」(無知・無能・邪魔・否定的)や心理的安全性の4つの因子(話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎)について説明されていた。

心理的安全性とは

エイミー・エドモンソンによる心理的安全性の定義は以下。

チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと。

この説明における主な「対人関係のリスク」は、以下の4つ。

  • 無知だと思われたくない
  • 無能だと思われたくない
  • 邪魔だと思われたくない
  • 否定的だと思われたくない

上の4つのようなことを思われたくないから、メンバーは「行動しない」選択を取る(ex:「打ち合わせ中に発言したら何も分かってないのバレるから黙っとこ……」)。
結果、チームの学習が阻害され、生産性が下がるのだとか。フム。
逆を言うと、これらの「対人関係のリスク」を排し、心理的安全性を確保すれば、チームの学習は促進されるらしい。フムフム。

ただし、「心理的安全性が高い職場・チーム」は「ぬるい職場・チーム」(甘く妥協し・馴れ合うだけのチーム)ではないことも重要。
「ぬるい職場」と対立する概念として、「学習する職場」(心理的安全性が高く・仕事の質=基準も高い)があるらしい。

職場における衝突(コンフリクト)の3種

職場における衝突(コンフリクト)がカテゴライズされていたのでそちらも挙げてみようと思う。

  • 人間関係のコンフリクト:文字通り。人間関係でトラブること。
  • タスクのコンフリクト:タスクの進め方、アウトプットの方法などを議論する際の衝突。
  • プロセスのコンフリクト:担当部署や承認・決済方法など、組織体のせいで起きるトラブル。

この中で、「タスクのコンフリクト」のみは業績にプラスの影響があるらしい。仕事のクオリティをあげる建設的な議論ができたらそら業績上がるよね。
つまり、「人間関係も良好で、社内調整もスムーズに行え、担当部署などの垣根を超えて、タスクについて議論できる環境」が最高らしい。そんなのユートピアじゃん

「チームの心理的安全性」の4つの因子

そんなユートピアを構築するための手段として、心理的安全性の向上が急務。チームの心理的安全性工場のために、以下の4つの因子にアプローチすることができる。

  • 話しやすさ
  • 助け合い
  • 挑戦
  • 新奇歓迎

その具体的な方法が2章以降で書かれている、といった具合。
「いや、話しやすさやら助け合いやらこんなん見たら分かるわ……けどうちの会社はできてない……だから自分は困っているのですが?」という方へ。

同じ職場やチームで「相手に問題がある。それに私は困っている」と思う時、実はあなたは問題の一部となっているのです。 p.67

あなたの行動ひとつひとつが組織全体の行動を変化させる「きっかけ」や「みかえり」になるとのこと。詳しくは第3章。

第2章:リーダーシップとしての心理的柔軟性|リーダーとしてどう振る舞うべきか

「心理的柔軟なリーダーシップ」を持つため、バイアスを取り払い本質的な問題にあたる方法が説明されている章。この章は全体的に禅マインドというか、マインドフルネスに関する言及が多かった。世界を世界のまま捉えよ……。ここも重要そうなところと面白かったところを抜粋。

リーダーとリーダーシップは違う

リーダーポジション・立場」、「リーダーシップ=他者に影響を与える能力」とのこと。なのでリーダーでなくてもリーダーシップ=能力は発揮できるらしい。確かにそうだね。
続いて紹介されていたのが、リーダーシップの4つの型について。

  • トランザクショナル・リーダーシップ:飴と鞭・成果主義
  • トランスフォーメショナル・リーダーシップ:ビジョン・啓発
  • サーヴァーント・リーダーシップ:メンバーの支え・活躍支援
  • オーセンティック・リーダーシップ:自分らしさの発揮・弱さを見せられる

これらのリーダーシップスタイルをメンバーに合わせて使い分ける「心理的柔軟なリーダーシップ」が望まれるらしい。タイプを変える……ポケモンのデオキシスみたいなものですか? ポケモン詳しくないので知らないんですけど。

心理的柔軟なリーダーシップのために

心理的柔軟なリーダーシップのために必要なマインドは3つ。

  • 変えられないものを受け入れる
  • 大切なものへ向かっていく
  • それらをマインドフルに見分ける

変えられないものを受け入れる

変わらない・変えられないものを受け入れるためには、①「思考=現実」からの脱出と②ネガティブな記憶の受け入れが重要とのこと。

「思考=現実」からの脱出とは、自分がバイアス(=思考)を持っていることを自覚しつつ、いかにその思考を現実(のタスク、状況)と切り離し判断するか、と理解している。
「自分はバイアスを持っているが、うまく現実と切り離せている」と思うことは危険で、「自分はバイアスを持っているが、うまく現実と切り離せている……と思っている」までいくのが良い。自分の考えを他人の考えみたいに「あ〜そう思ってるのね、ナルホド」と扱うって意味ではマインドフルネスの文脈ですね。

②②ネガティブな記憶の受け入れは、これです。

これ、な〜んだったけなと思ったら、エリック・バーンの名言ですね:他人と過去は変えられないが自分と未来は変えられる。 今、この時を認識すればよい。 過去や未来を生きる必要はない。 勝者とは世界と自分との契約を果たす者だ。

ネガティブな過去は変えられないので、「体験の回避」と呼ばれる負の感情をコントロールしようとする戦いは不毛。過去をなかったことにしたり、ありもしない幻想にしがみつくのではなく、前を向くために諦め、「受け入れ」はじめること……この態度を「創造的絶望」と呼ぶらしい。
ちょっと前までダンガンロンパをやっていたので、創造的絶望とか言われると学級裁判のBGMが流れる脳になっている。それは違うぞッ!

以降、学級裁判のBGMをお供に読んでください。

大切なものへ向かっていく

これは「目標設定をちゃんとしましょう。チームとして向かいたい方向にエンゲージしましょう」的な話だった。以上。大事だけど目が滑った。

それらをマインドフルに見分ける

変えられないもの(心の中)と変えられるもの(行動)を見分けていこうぜ」という章。マインドフルは「気づきに満ちている」状態と定義されている。個人的には、瞑想がうまくいったなと思っても「ウオ〜! 気づきに満ちているぜ!」とはならないな……斬魄刀との対話みたいになる。

座禅・マインドフルネスの実践を通して言葉の世界から距離を取り、「いま」「ここ」へ集中しろということである。かつ、他人に眼差される存在としての自分=「物語としての私」から、自分の思考と現実を切り離して考えられる「観察者としての私」へ移行しろとも言われる。

「物語としての私」は他人が存在することで、先に挙げた対人関係のリスク(無知・無能・邪魔・否定的)に晒されてしまう。あるいは、「思考=(歪んだ)現実」の罠に陥って、「自分は優秀=だからうまくいかないのは会社の施策が間違っている」、「自分はダメ=だから挑戦できない」のような自分物語を作り出してしまう危険性もある。

本の中では「観察者としての私」について、「自分=世界を眺めているカメラ」だと例えている記述がある。何か考えが浮かんできたとしても、その思考を「眺める」側であってそれに脅かされたり傷つけられたりしない。ハッシュタグ「#ファインダー越しのわたしの思考」じゃん。とにかくメタ視点に生きましょうということですね。

心ではなく「行動」にフォーカスする

勤務態度が著しく悪い社員が居たとして、その人をどう怒るか。
テメーやる気あんのか???」と、「やる気」なる曖昧な概念についてフィードバックしても響かないですよ、という話。
この「やる気」なる概念の不確かさを確認するためのワークがよかった。以下そのまま引用。

[…]お手元に携帯電話を用意してください。そして、手に持っていただきたいのです。準備ができたら、「やる気を出して」携帯電話を手に持ってください。
 どうでしょうか。やる気を出すことができたでしょうか。研修や講演会などでこのワークをやると、「力を入れる」「高く上に掲げる」「目力をいれる」といった反応をされる方、そして「何をしたらいいの?」と戸惑われる方がほとんどです。 p.87

ちなみにいまはかなりやる気を持ってタイピングしています! 読んでいる人には伝わらないと思いますが。
とにかく、勤務態度が悪い社員の問題を一絡げに「やる気がない」とラベル付けしているだけで、個々の行動パターンの問題を指摘せず棚上げしてますよね、ってこと。

「自信」「やる気」など、心の中のこと・目に見えない姿勢は「行動を束ねた結果」として現れる、いわばブーケのようなもの。「やる気」を示したいなら、あるいは改善したいなら、「やる気を出します!」ではなく、遅刻をしないとか返事をするとか、個々の行動を改善していきましょうという話でした。

第3章:行動分析でつくる心理的安全性|チームの行動をどうデザインするか

「行動分析・習慣化によって心理的安全性を向上させましょうや」という章。『ぼくたちは習慣で、できている。』(佐々木典士)を読んでいたので、序盤は結構飛ばし飛ばしで目を通した。

「きっかけ」→「行動」→「みかえり」

行動分析の最も基本的なフレームワークは以下の通り。

①「きっかけ」によって「行動」が起きる。
②その行動によって「みかえり」を受け取る。
③-A 「みかえり」が自分にとってプラスなら、今後その行動をとる確率が増える。この時の、自分にとってプラスのみかえりを「好子」という。
③-B 「みかえり」マイナスなら今後その行動をとる確率が減る。この時の、自分にとってマイナスのみかえりを「嫌子」という。

なお、「みかえり」は中長期的に受け取るものよりも行動の直後に受け取るものの方が強い。筋トレみたいな、「後から効果が出るけどやったほうがいいこと」の継続が難しいのは、行動の直後に好子を受け取れないから。

なので、行動分析は「毎日繰り返されるであろう行動をよりよいものにしていくスキル」と換言できる。よりよいものにしていきて〜……ので、「きっかけ」「行動」「みかえり」について詳しくチェック。

「きっかけ」とは

ここで言う「きっかけ」とは、ある行動がいつ・どのような状況で起こるかという文脈のこと。
「仕事を学ぶ」は適切な文脈で適切な行動が起こるように「きっかけ」のパターンを分類していく作業であるらしい。つまり、「このパターンは→これっすね」の引き出しを増やしていくということ。

ただし、「無意識のきっかけ」も存在するらしい。これは習慣的な話。「なんかお菓子買って食べちゃう」のきっかけが、実は「昼ごはん買いに行くコンビニのお菓子の品揃えが自分にドンピシャ」だからだったりする。たまにあるよねそういうコンビニ。

「行動」とは

ここでの「行動」とは、「取ることができる行動」のこと。
「受け身」(〜される)・「否定」(〜しない)・「結果」(結果的に〜した)は行動ではない。

例えば、「A君に会った」(きっかけ)→「A君に殴られた」(行動、ただし受け身)のような場合、行動分析はできない。
この場合は、A君側の行動を分析する必要がある。「B君に会った」(きっかけ)→「殴った」(能動的な行動)→「圧倒的な征服感、自己肯定感」(見返り、好子、ただし最低なもの)とすべき。

「みかえり」とは

「みかえり」には(好子/嫌子)が(現れた/消えた)の4パターンがある。

  • 好子が現れるみかえり:(例)ミスを報告した→「よく報告した」と褒められた|行動の強化
  • 好子が消えるみかえり:(例)ミスを報告した→残業させられ帰れなくなった|行動の弱化
  • 嫌子が現れるみかえり:(例)ミスを報告した→怒られた|行動の弱化
  • 嫌子が消えるみかえり:(例)ミスを隠蔽した→怒られるはずだったけど怒られなくなった|行動の強化

例で分かると思うけど、「嫌子が消える」パターンのみかえりは本質的な改善にならないのでよろしくない

チームの行動変容でつくる心理的安全性

メンバーの行動に対して、「褒める」「助け合う」「承認する」などポジティブな反応を示すべき。つまり、自分自身の行動そのものを相手にとってのみかえり(好子)にしていこうって話。

心理的安全性の4つの要素(話しやすさ、助け合い、挑戦、新規歓迎)を高めるような「みかえり」としての行動例は以下。

話しやすさを高める行動

(話す側):話す、意見を言う、報告・連絡・相談、建設的な反論を行う、たずねる、確認、質問、共有、雑談 など
(聞く側):聞く、相槌、お礼 など

助け合いを高める行動

(助けてもらう側):助けを求める、トラブルやミスについて話す、相談する、お願いする、経緯を話す、結果を話す
(助ける側):話を聞く、方針を示す、解決策を考える、分担して対応する、業務を引き取る

「聞く」行動に関して、「困ってることある?」「大丈夫?」といった例文の中に、「悪いニュースある?」という問いかけも載っていた。いいね。悪いニュースを聞いていきたい。
それから、話を聞く際に「なぜ」「どうして」の使用を控えて、以下のように「なに」「どこ」を使うテクニックも具体的でよさそう。

「なぜ失注した?」→「どこを改善したら受注の打率上がるかな?」
「なぜその優先順位?」→「なにが大切だと思ってこれを最初に実行した?」

「なんで」「どうして」って聞かれると確かに詰められてる感じにならなくもない。おれは理由を問い続けられた時は「この人は、もしかしたら、ほんとうに、厚切りジェイソンなのかもしれないな」と思うようにしている。

挑戦を高める行動

(挑戦する側):試す、工夫する、模索する、企画する、手をあげる、プロセスを変更する など
(させる側):挑戦の歓迎、工夫を促す、承認する、機会を与える

挑戦を高める例としてAdobe KickBoxが紹介されていた。社員に、アイデアを実現させるために自由に使える10万円を渡す施策です。いいよな〜これ。

新奇歓迎を高める行動

(「新奇」を出す側):独自のものの見方を共有する、強みを生かす、得意な分野の仕事を引き取り弱い分野の仕事を委任する、自分が何を大切にしているか共有する
(「新奇」を受け入れる側):同意を求めず違いを歓迎する、包摂する、最適な配置と役割決めなど

価値づけされた行動

価値付けされた行動(Valued Behaviors)は、その行動を取ること自体が目的になっている行動のこと。「文章書くの楽しいから→文章を書く」的なね。そうなりたいわ。

仕事において価値付けされた行動を持っている人は、放っておいても(特定の面で)ガンガン仕事をするので最適な配置をすべきとのこと。
「仕事が好きだからめちゃくちゃ仕事する」の人、本当に無敵だよな……周りにそれを押し付けないとなお良い。

「プロンプト」を使う

「プロンプト」は正しい行動が起きる確率を高める補助としての「きっかけ」。リマインダーとか営業同行がこれに当たる。
最初は仕事にベタ付きするなどの強力なプロンプトを与えつつ、行動が確立してきたら徐々にプロンプトをなくしていく=フェーディングするのがよいとのこと。

第4章:言語で高める心理的安全性

言語行動によって心理的安全とパフォーマンスの高いチームを作る理論と実践方法を紹介している章。関係フレーム理論の話が出てくるが、専門用語は使われていないので分かりやすかった。

言葉で行動を学ぶ

第3章で紹介されていた行動分析の基本のフレームワーク、「きっかけ→行動→みかえり」は、動物行動と呼ばれる。まず行動ありきで好子・嫌子を学ぶわけだ。実際に行動してみないとみかえりが発生しないので、「痛い目見ないと分かんねえなコイツ」のパターンが出てくる。

一方、「動物行動」とは異なり、言語行動は実際に体験するよりも前に、言葉で行動が好ましいか/好ましくないかを判断できる。「道路に飛び出すと危ないよ」と伝えさえすれば、その行動が避けるべきものか理解できるのである。

こういった言語行動ができるのは人類くらい。つまり、言語行動は動物行動の上にアドオンされているものらしい。
そして、この言語行動に関する理論が「関係フレーム理論」。なんかの本で読んだけど全然理解できなかったんだこれ。

言語という能力の本質

つまり、私たちのこの言語という能力の本質は、現実とシンボルを関係づける力、いわば「シンボル操作能力」のことを指します。p236

言葉があれば「いま・ここにない理想」を創り出すことができる。人類は言葉によって理想=象徴(シンボル)を一にすることで、他の個体と柔軟な形で協力できる……というお話。
海の中でアジの魚群が「成長率120%目標だ!」とか意思疎通してたらめちゃくちゃアツいけどね。人類にしかできないらしい。残念。

ルール支配能力

人類は、言語のシンボル操作能力によって目先の「好子・嫌子」を超えて長期的な視野で協力できる。つまり、言葉によってみかえりを関係づけ、言葉によって行動をコントロールできる

こういう言葉の能力を「ルール支配行動」(Rule Governed Behavior)と呼ぶ。
厳密な定義をちょっとググったら以下が出てきた。孫引きになっちゃうけどいいよね。

ルール支配行動とは、「行動随伴性を記述したタクトが生み出す言語刺激(=ルール)」 によって制御される行動である – 長谷川版「行動分析学入門」講義録

行動随伴性」は「きっかけ→行動→みかえり(結果)」のこと。「タクト」は「報告言語行動」。「これは水です」「あれは本です」みたいな、他人に動作を要求しないような言語行動を指す。反対は「マンド」(要求言語行動)。「水取って」「本取って」みたいなやつ。こんな説明で合ってるのか? 専門家にボコボコにされないのかな。

なので、ルール支配行動は「行動の結果どうなるかが書かれている・語られている言葉によって制御される行動」のことを指すっぽい。マニュアルとかがいい例かね。そんなルール支配行動には3つの種類がある。

  • 言われた通り行動
  • 確かにそうやな行動
  • そんな気してきた行動

なんで関西弁やねん、と思いながら読んだけど、確かにこっちの方が頭には残る気がする。それぞれチェック。

言われた通り行動

文字通り、言われた通りに行動するパターン。専門用語ではプライアンス(Pliance)というらしい。
言われた通り行動では「ルールを守ったからほめられる」というみかえりしか発生せず、本質的な改善には繋がらない。報酬を与えてくれる人の顔色を伺うチームになっちゃうみたい。

成果が出るまで時間がかかることにはこの支配行動でOK(筋トレとか)だけど、ルールを提示した人の気まぐれに与えるみかえりによって行動が左右されるので注意。

確かにそうやな行動

 
ルールが示す手順に従い、行動そのものからみかえりを実感するパターン。専門用語ではトラッキング(Traciking)というらしい。

例えばマップアプリに道のりを教えてもらっている場合。ルールに従順に従うのは「正しい方向に進んでいる実感」があるからで、ルールが間違っている時=実感がなくなった時はすぐ方向修正できる。

「言われた通り行動」と見分けがつきにくいけど、要するに納得感の問題。

▼プライアンス・トラッキングについては、本を読んだ後、以下ブログを参考にしたりしました。まとまっていて分かりやすかった。
ルール支配行動3 プライアンスとトラッキング|放課後等デイサービス ほーぷ

そんな気してきた行動

そんな気してきた行動は、「みかえりの力を変える」行動。専門用語ではオーグメンティング(augmenting)というらしい。

例。とにかくプログラムを組むこと自体が楽しいプログラマが居るとする。つまり、プログラミングが「価値づけされた行動」になっている人。仕事自体が楽しいので、「仕事をする(行動)→仕事が楽しい(みかえり)」という無敵状態になっている。

そこに上司が現れて「あなたのしている仕事は会社的にすごく重要」と声をかける。すると、「仕事をする(行動)→仕事が楽しい+重要なことをしている実感(みかえり)」という風に、みかえりが強化・再構築され、もっと無敵になる。これがそんな気してきた行動とのこと、らしい。

▼オーグメンティングについても、同じブログを参考にしました。
ルール支配行動4 オーグメンティングと自己ルール|放課後等デイサービス ほーぷ

ルールを守ってもらう際の注意点

ルールが守ってもらえるかどうかは提示する人の影響力や信頼性によって変わる。あまり信頼されていない人に「守れよ」って言われてもつまらないもんね。なので日頃の行いを改めましょうとのこと。信頼や尊敬は一つ一つの行動を束ねたブーケのようなものだぞ!(第2章の復習)

第5章:心理的安全性導入アイデア集

事例集など。この辺はもう読んでください。省略! すらすら読める、分かりやすい本でした。おすすめ。読みな〜。

※1 “Brilliant jerk”(=有能だけど嫌な奴)ではなく、ただの”jerk”(嫌な奴)です。念のため。

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