(個人的に)読書の秋に読みたい書籍(約)100選

「読書の秋に読みたい書籍100選」のツイートが話題を呼んでいる。なんでも、「おすすめの本に自己啓発書ばかり入っているのが気持ち悪い」などと言われているのだとか。元ツイートの「読みたい」が「読むべき」の意になっているのが反感を買っているのかしら。ぼくは人がどんな本を読んでいようが構わないので、この話はもうおしまい!

おしまいなのだが、「読書の秋に読みたい本を100冊挙げてそれぞれ紹介しろ」と言われるとなかなか難しい。「読むべき」本なら、好きな本を100冊挙げれば良い話である。が、自分が「読みたい」本を100冊挙げろと言われたら、「図書館で借りようと思ってた本リスト」「買おうと思ってた本リスト」などを引っ張り出してあたふたしなければならない。

もちろん再読本を紹介するのもルール上あり——というかルールなんてものはない——なのだろうが、ここはひとつ、個人的な「読書の秋に読みたい書籍(約)100選」を紹介してみようと思う。

ここで言う「読みたい」は「(自分がまだ読んでいないので)読みたい」の意とする。あくまで個人的な読みたい本リストであることにも注意。そして、(約)とつけたのは、途中でリストを追加したり減らしたりした結果、何冊かよく分からなくなってしまったためである。後ほど微調整するが、まあ100冊プラマイ10冊、くらいにはなっているはず。知らんけど。

読書の秋におすすめの本紹介、途方もないです|更新履歴

ということで、紹介していこう——と思ったのだけれど、100冊近い本のリストを見てびっくりしてしまった。果てしなさすぎる。これ全部紹介するのめっちゃ大変じゃん。様々な意見はあれど、あのツイートの画像を作った人はすごい。ほんとに100冊紹介してるんだから。

さすがに全部紹介してから記事を出すのがしんどいので、秘伝のソース方式で、徐々に付け足し(追記・加筆)していく方式を取ろうと思います。更新しているうちに読んでしまう本もあるかも。リストが変わってるなと思っても口を出さないでください。読書が捗っている証拠なので。記事が完成する頃には秋でもなくなっているであろう。

そういうわけなので、日本文学・エッセイ・ノンフィクションからご紹介します。カテゴリは適当。なにしろまだ読んでいないので適切な分類が分からない。

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2021/10/4 公開

日本文学・エッセイ・ノンフィクション

  • 『かか』『推し、燃ゆ』宇佐見 りん
  • 『ホヤわが心の朝』福田 紀一
  • 『おおきな森』古川日出男
  • 『空芯手帳』八木詠美
  • 『夏物語』川上未映子
  • 『騎士団長殺し』村上春樹
  • 『働きアリに花束を』『もはや僕は人間じゃない』爪 切男
  • 『70歳、これからは湯豆腐』太田 和彦
  • 『阿佐ヶ谷アタリデ大ザケノンダ』青柳 いづみこ
  • 『無意味とスカシカシパン: 詩的現象から精神疾患』春日武彦
  • 『料理と利他』土井善晴/中島岳志
  • 『ルワンダ中央銀行総裁日記増補版』服部正也
  • 『聖なるズー』濱野 ちひろ
  • 『友がみな我よりえらく見える日は』上原隆

『ホヤわが心の朝』福田 紀一


「主人公がホヤなんですけど。野球するんです。ホヤなんですけど」と友人に教えてもらった本。その時はお酒を飲んでいたので、「きっと記憶違いだろう、あのぐねぐねしてグロテスクな海の幸が野球をするわけはあるまい」と思っていたが、どうやら本当らしい。しかもめちゃくちゃ青春小説らしい。どんな話? あらすじの情報が非常に少ないので、かなり読みたい作品。

海外文学・エッセイ・ノンフィクション

  • 『テルリア』ウラジーミル・ソローキン/松下 隆志
  • 『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー/柳谷 あゆみ
  • 『旱魃世界』J・G・バラード/山田 和子
  • 『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブソン/黒丸尚
  • 『緑のヴェール』『記憶の書』ジェフリー・フォード/貞奴
  • 『シルトの梯子』グレッグ・イーガン/山岸 真
  • 『崩れゆく絆』アチェベ/粟飯原文子
  • 『弓と竪琴』オクタビオ・パス
  • 『オリーヴ・キタリッジの生活』エリザベス・ストラウト/小川高義
  • 『オーバーストーリー』リチャード・パワーズ/木原 善彦
  • 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』ルシア・ベルリン/岸本 佐知子
  • 『約束の地 大統領回顧録 上/下』バラク・オバマ/山田 文
  • 『カンマの女王』メアリ ノリス/有好 宏文
  • 『キングコング・セオリー』ヴィルジニー デパント/相川 千尋
  • 『差別はたいてい悪意のない人がする』キム ジヘ/尹 怡景
  • 『秘義と習俗新装版』フラナリー・オコナー/サリー・フィッツジェラルド
  • 『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』ガブリエル・ガルシア=マルケス/木村 榮一
  • 『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて』アーシュラ・K・ル=グウィン/谷垣 暁美
  • 『ケヴィン・ケリー著作選集 1』ケヴィン・ケリー /堺屋七左衛門

『テルリア』ウラジーミル・ソローキン/松下 隆志


オモコロの積読王でダヴィンチ・恐山さんが取り扱っていた小説(?)。「テルル」という原子から作られた釘を脳天に打ち込むと気持ちよくなれる?らしい。あと、なんか戦争?みたいなものも?起きていて?小人とか巨人も出てくるみたい。
なぜ全部伝聞調なのかというと、この小説にはストーリーというストーリーがないらしく、構成も全50章からなる「断片」で構成されているとのこと。感想ブログにも少し目を通したが、ほとんどが「なんだったんだろうこれは」といった具合だった。絶対読みたい。
ソローキンの作品では『青い脂』を手に取ったことはあるが、覚えていないということはあまり読み進めていないのであろう。語れることはない。その点、『テルリア』はおとぼけ顔をしておいても大丈夫そうなので、安心である。

『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー/柳谷 あゆみ


どこかの書店に並んでいたこの本を手に取った時、帯の「中東×ディストピア×SF小説」小説の文字に惹かれた。ただ、帯の文字に惹かれた程度でばかすか本を買っていては破産するので、頭を冷やすために一度書店を後にしたのである。そして、この「読書の秋に読みたい書籍100選」を選定するにあたって存在を思い出した。今見ても読みたくなる字面だな、「中東×ディストピア×SF小説」。
ただ、Amazonのレビューには「帯の「中東×ディストピア×SF」があまり正確でない。」とある。楽しみにしてたのにどうしてそんなこと言うのさ!

『旱魃世界』J・G・バラード/山田 和子


J・G・バラードの『沈んだ世界』を読んで完全に食らった。効いた。脳が揺れた。「つ、続きを読まなきゃ……!」と思っているうちに、気付けば数年経っていた。
バラードの〈破滅三部作〉の2作目、『燃える世界』の完全版がこの『旱魃世界』なのだとか。この作品から読んで平気なのかな? 『燃える世界』から普通に読んだ方がいいのか? 知っている人がいたら教えてください。

『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブソン/黒丸尚


ゲーム『サイバーパンク2077』に激ハマりし、天才ランナーとしてギャングどもの脳の回路を焼き切って回っていたころ、「『ニューロマンサー』を読まずしてサイバーパンクが語れるか」との意見を目にした。が、結局この作品を読まずにゲームはクリアした。ナイト・シティの生ける伝説になり、『サイバーパンク2077』を我が物顔で語っている。
奇しくも、『テルリア』の時にリンクを付したオモコロの「積読王」企画でヤスミノさんがこの本を紹介していた。舞台が「電脳都市千葉シティ」らしい。ぜ、ぜったい読みたい……

『緑のヴェール』『記憶の書』ジェフリー・フォード/貞奴



<白い果実3部作>と呼ばれるジェフリー・フォードの幻想文学作品の2作目・3作目。1作目の『白い果実』を読み、続きをいつか読もうと思い続けて現在に至る。
『白い果実』の舞台は<理想計画都市>(ウェルビルドシティ)。人の顔を見て偏見だけでものごとを判断する職業である「観相官」のクレイという男が語り部。このクレイという男がすぐに人を殴るわ、<美薬>という名の薬物を血管から摂取するわで怖い。のだが、もっと怖い独裁者の命令を受けて、「白い果実」を探しに行く……というのがストーリー。<理想計画都市>だもんね。絶対ディストピア。1作目は超面白かったのでおすすめ。2作目と3作目にもクレイは出てくるみたい。更生したかなちゃんと……

社会学・歴史

  • 『クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める』リチャード・フロリダ/井口典夫
  • 『東京の生活史』岸 政彦
  • 『裸足で逃げる』上間 陽子
  • 『ニュータウンの社会史』金子 淳
  • 『リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ』谷岡 一郎
  • 『時間の比較社会学』真木 悠介
  • 『気流の鳴る音』真木 悠介
  • 『マクドナルド化する社会』ジョージ・リッツア/正岡寛司
  • 『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』竹内整一
  • 『縁食論』藤原辰史
  • 『インターネットは言葉をどう変えたか』グレッチェン・マカロック/千葉敏生
  • 『退屈とポスト・トゥルース SNSに搾取されないための哲学』マーク・キングウェル/上岡 伸雄
  • 『さよなら、男社会』尹 雄大
  • 『モテないけど生きてます』ぼくらの非モテ研究会
  • 『専門知は、もういらないのか』トム・ニコルズ/高里ひろ
  • 『踊る熊たち』ヴィトルト・シャブウォフスキ/芝田 文乃
  • 『平成ネット史 永遠のベータ版』NHK 『平成ネット史(仮)』取材班
  • 『戦略の地政学 ランドパワー VS シーパワー』秋元千明

『クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める』リチャード・フロリダ/井口典夫


tofubeats御大が高校生向けにおすすめの書籍を紹介する記事で目にした本。
「新しい価値を生み出す人や職種(=クリエイティブ・クラス)は特定の場所に集中する」「いかにしてクリエイティブ・クラスを誘引するような場所づくりができるかが重要である」みたいなことが書かれているらしい。日本だと「創造都市」ってのがあるみたいね。名古屋市(デザイン)、金沢市(工芸)、札幌市(メディアアート)とかが認定されているらしい。もちろん、tofubeats氏の地元、神戸市も認定を受けている。認定を受けていてすごいなあ。

政治

  • 『みんな政治でバカになる』綿野恵太
  • 『海賊党の思想』浜本隆志
  • 『週刊だえん問答 コロナの迷宮』若林 恵/Quartz Japan
  • 『はりぼて王国年代記 【週刊だえん問答 第2集】』若林 恵/Quartz Japan
  • 『NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方』若林 恵
  • 『ツイッターと催涙ガス』ゼイナップ・トゥフェックチー/毛利嘉孝

科学

  • 『人は簡単には騙されない』ヒューゴ・メルシエ/高橋洋
  • 『都市で進化する生物たち』メノ・スヒルトハウゼン/岸 由二
  • 『数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて』マックス・テグマーク/谷本 真幸
  • 『ヒトの社会の起源は動物たちが知っている』エドワード・O・ウィルソン/小林 由香利
  • 『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト/矢羽野薫
  • 『幻覚剤は役に立つのか』マイケル・ポーラン/宮﨑真紀
  • 『雑草で酔う—人よりストレスたまりがちな僕が研究した究極のストレス解消法』青井硝子
  • 『なぜあの人のジョークは面白いのか?』ジョナサン シルバータウン/水谷 淳

哲学・思想

  • 『感情の哲学入門講義』源河亨
  • 『生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪』デイヴィッド ベネター/小島和男
  • 『生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!』森岡正博
  • 『自分探しの倫理学』山内 志朗
  • 『サバイバルする皮膚』傳田 光洋

資本主義・経済・労働・お金

  • 『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』橋本 努
  • 『監視資本主義』ショシャナ・ズボフ/野中 香方子
  • 『資本主義だけ残った』ブランコ・ミラノヴィッチ/西川美樹
  • 『資本主義と危機』マルクス・ガブリエル/イマニュエル・ウォーラーステイン
  • 『人新世の「資本論」』斎藤 幸平
  • 『働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話』松村圭一郎/コクヨ野外学習センター
  • 『ウォール街のランダム・ウォーカー<原第12版>』バートン・マルキール/井手 正介
  • 『図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』山崎元/大橋弘祐
  • 『サボる哲学』栗原 康

ビジネス書・勉強法

  • 『ビジネスマンのためのドーピング・ガイド』加藤三千尋
  • 『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』西内啓
  • 『両利きの経営』チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン
  • 『パーパス経営』名和 高司
  • 『DXの思考法 日本経済復活への最強戦略』西山 圭太/解説・冨山和彦
  • 『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』シーナ・アイエンガー/櫻井 祐子
  • 『融けるデザイン——ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論』渡邊恵太
  • 『読書大全』堀内 勉
  • 『時代を先読みし、チャンスを生み出す 未来予測の技法 (ディスカヴァーリベラルアーツカレッジ)』佐藤 航陽
  • 『未来に先回りする思考法』佐藤 航陽
  • 『知的生産の技術』梅棹忠夫

音楽

  • 『新蒸気波要点ガイド』佐藤秀彦

ポーカー

  • 『フィル・ゴードンのポーカー攻略法入門編』フィル・ゴードン/佐藤友香

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