元気が出た/気持ちの良かった接客

雑記

はっきり言って店員の接客態度なんてものは、レジに出した商品を床に叩きつけて「おととい来やがれ」と中指を立てられるようなことさえなければなんだっていい。いかに店員の声が小さかろうが、服装や髪色が派手であろうが、買うものは買うし買わないものは買わない。
のだが、それでも元気が出た・気持ちの良かった接客はよく覚えている。記憶に残っている接客3つを書いてみる。

コンビニ(ファミリーマート)の接客

職場の近くにファミリーマートがあるのだが、オフィス街にある割にはアングラな雰囲気なのである。店内はなぜかうす暗い。ゴミ箱はいつもレシートで溢れかえっている。普段は女性店員がひとりで気だるげに、しかし恐ろしい速さでレジを打っているのだが、その日はごま頭のむすっとした男性店員もシフトに入っていた。
男性店員の方のレジに商品を置くと、揚げ物20円引きセールのポップが目に飛び込んでくる。ここを好機と見て、すかさず「ハムカツもください」と言った。
すると、仏頂面だった店員さんは「ハムカツがおひとつ!」となぜか破顔した。なにが面白いのかはさっぱりわからないが、急にご機嫌である。八百屋や魚屋のごとく、「ハムのッ カツね〜ッ」と威勢よく唱えながら、ホットスナックケースを開いた。
その、「ハムのッ カツね〜ッ」が印象に残っており、思い出すたびに元気が出る。店員さん、めちゃくちゃハムカツ好きだったのかな……

タイ料理屋さんの接客

職場から少し歩いたところにタイ料理屋もある。かなり雰囲気で接客をやっており、たいへん好みである。


▲こういう接客をしてくれる

この店にはスタンプカードが存在する。薄花色の固い紙に横8×縦5の格子が刷られただけの簡素なカードで、スタンプをいくつ貯めれば何になるのかは全くわからないが、とにかく1回の会計につき1度押されるのである。
先日、いつものように店員のおすすめ弁当を購い、カードを渡す。スタンプはまもなく三段目に突入しようとしていた。女性店員がダッと押印してくれる。
のだが、彼女は誤って三段目ではなく四段目に判を押してしまったのである。段違いになってしまったので、丸々一行分の空白ができてしまう。
ぼくが「あっ」と声を漏らすと、女性店員もミスに気づいた様子。しかし、全く動じた様子はない。どう訂正するのかしらんと思ったら、彼女はもう一度朱肉にハンコを押し付けた。

ダッダッダッダッダッダッダッダッ

目にも留まらぬ早業であった。なんと彼女は空白の一行をまるまるスタンプで埋めてミスを完全に「なかった」ことにしたのである。都合八日分のスタンプを偽造した彼女は、まるでミスなどなかったかのように「コップンカー!」と笑った。「間違えちゃったから押しておきますね」の説明すらなかった。
その日以来、その店員さんと美しい共犯関係にある。出社日には、何もなかったかのような顔をしてグリーンカレーを買っている。スタンプカードを差し出す時、「段ミスんねえかな」と少しだけ思っている。ほんとうに少しだけ。

パン屋の接客

恋人とパン屋に朝ごはんを買いに行く。Google Map上で存在を知ってはいたが、入ったことのないパン屋である。
早々にうぐいす餡のパンとボルシチのパンを選ぶ。恋人は店内を老探偵のように腰をかがめて歩き回り、熟考に熟考を重ねた果てに、高菜のおやきとジャムパンをトレイに載せた。
レジに4つのパンを持っていくと、若い女性の店員さんが開口一番「いいにおいの香水ですね! ギャルソンですか!?」と言った。恋人が使っている香水である。恋人が「そうです」と笑った。出来過ぎなくらい「気持ちの良い接客」に、びっくりした。なんていい店なのかしら。
パンを袋に詰める店員さんが、ふいに「シール集めてますか?」と聞いてくる。どうやら商店街で何かイベントをやっているらしい。「持ってないなら、カード、どうぞ。シール、意外と貯まるんで」と、満面の笑みを浮かべたリスが表紙のカードをくれた。
恋人と店を出て、改めてカードを確認すると、「空欄にシールを350枚貼ってください」と書かれている。350枚は絶対に多すぎる。ツボに入ってしまい、しばらく笑いが止まらなかった。
うぐいす餡のパンもボルシチのパンもたいへん美味しかった。が、高菜のおやきだと思って買った恋人のパンはごまアンパンだった。ジャムパンとごまアンパン。どっちも甘いパンなので、恋人は「プラン」が崩れてしまったかもしれない。が、それにしてもまた行きたいお店である。

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