エリザベト・ソベック アルファ・プライム
前作をプレイしたのは1年ほど前になる。2019年ごろ、PS4購入時にソフトが2本無料でついてくるキャンペーンをやっていた際に『Marvel’s Spider-Man』と一緒に手に入れた。にもかかわらず、1年ほど全く手を付けなかった。愚かである。
蓋を開けてみたら『Horizon Zero Dawn』(Amazonリンク)はあまりにも性癖に刺さるゲームであった。原始の部族、失われたテクノロジー、雄大な大地を闊歩する機械の獣……出てくるギミックひとつひとつに奇声を発しながら、機械獣の頭をひっぱたいたり、敵対する部族を弓で射たりしていた。
そんなゲームの続編、『Horizon Forbidden West』がようやく発売されるというではないか。しかも、感冒を得て外出が禁止されている折に(ちょうどそのころコロナになって家から一歩も出られなかった)。
「神はこの機械に一気にプレイせよと仰っている」と思いながらAmazonの予約ボタンを押す。
大好きゲームの続編が届いた ゆっくりやるぞ #horizon #PS4share pic.twitter.com/kPdOte6Gyd
— 渡良瀬ニュータウン (@cqhack) February 18, 2022
▲発売日当日ゲットでウキウキの自分
タイトルの”Forbidden West“、つまり「禁じられし西部」とはアメリカ大陸西部を指す。主人公アーロイは世界を救うためにアメリカ——「かつての」アメリカ——を西へ西へ進んでゆく。憎きテッド・ファロによってもたらされた災いと謎の赤い腐食の進行を食い止め、エリザベト・ソベックによって生まれた生命を守るために。
「テッド? エリザベト 誰?」となっている方へ。このゲームは前作プレイしてないと本当になんのことやら分からんです。なんなら前作をプレイした自分も「知り合い面してるこいつ誰だっけ……?」となる場面も多々ありました。
すごく簡単に説明すると、テッドってヤツが大馬鹿者で、エリザベトって人が聖人です。動画などで前作のストーリーを解説している方もいらっしゃるので、よかったら調べてみてください。もっとよかったらプレイしてほしい。
プレイ時間50時間ほどでメインストーリーをクリアしたので、ここからは感想を。結論を書いておくと、前作ほどじゃないけど面白かったです。前作があまりにもすごすぎたので少し霞む。
『Horizon Forbidden West』のストーリーの内容にも多少触れていくので、「そこまで言うなら1も2もプレイしたろやないけ」と思っていただいた方はクリアしてきてください。ほら! 早くコントローラーを握って!! 極端なネタバレはしないけど多少は入ってきます。
アーロイさんに仲間が居るストーリー、見たかった
『Horizon zero dawn』では異端児として扱われていたアーロイさんだけれど、本作では前作で為した功績によって「英雄」と讃えられている。なんなら像まで作られている。また、プロローグ時点から仲間と一緒に行動できるので、「頑張りが認められた……!」と妙に嬉しい。
また、物語を進めると「拠点」が設けられ、集めた仲間が常駐してくれる。探索中に寂しくなれば、いつでもヴァール、エレンド、コターロ、ゾーが相手をしてくれるのでよかった。拠点に入るとキャラクター間で会話が発生するのもいい。エレンドがヘビメタばかり聞いて周囲が大迷惑していたり、ヴァールとゾーがいちゃいちゃしているのを聞ける。
▲怪我人の前で帷越しのキスを見せつけるカップル
仲間の中ではコターロが特に好き。この隻腕の剣士は、出会った当初は「なんだお前」「族長に言われなきゃお前になんか付いていかんよ」的な態度を崩さなかったのだけれど、あれよあれよと言う間にアーロイさんを尊敬し、最後の方は「お前のためにこの命は捧げる」とまで言ってくれる。
そのリスペクトを隠さない姿勢や、戦いに殉ずる覚悟が光る気高い戦士の精神が猛烈に好みだった。コターロの義手を作るサイドクエストが発生した瞬間に推奨レベルを無視して挑み、死にまくったくらい好きだ。
▲義手を作っても「必要な時に使う」とクールなコターロさん
一方、ストーリー全体は前作の方が好みだった。要所要所で「好きじゃん」が発生するんだけど……「お使いクエストやな」「え、急にそんな要素入れてくる?」と感じる点もちらほら。
要所要所の「好きじゃん」ポイントの中で言うと、ラスベガスステージは刺さった。悠久の時を経て、まぼろしとして復活するラスベガス! エッ、エモ~~~~い!
そしてストーリーの中でアーロイが度々口にするのが記事冒頭のことば。
エリザベト・ソベック アルファ・プライム
原子炉のオーバーライドや副次機能の回収時に権限認証のために発される言葉なのだが、聞きすぎて癖になってしまった。充電プラグを差し込む時などに、心の中で「エリザベト・ソベック……アルファ・プライム……」と唱えている。
オープンワールドを走る楽しさは増した
「なんだこの崖……よし登ろう」とバガボンドの宮本武蔵みたいなことばかりしていたのでプレイ時間がかさんだのだが、とにかく移動が楽しい。アメリカの地図とゲームの地図を突き合わせながら、「いまどの辺りに居るのかな」とにやにやしたりもできた。
何よりグラフィックが綺麗なので、景色見てるだけでも時間が過ぎてゆく。
トールネック制圧時の爽快感も変わらず。明らかになっていない地図が、くそでっけえキリンっぽい、でも頭部が円盤になっている機械をハックしたら暴かれるの、最高に気持ちがいい。
本作から新たな装備「プルキャスター」「シールドウィング」が登場したため、移動もスムーズ。プルキャスターはほとんど『進撃の巨人』の立体起動装置だったね。シールドウィングは高所からの飛び降りの爽快感が増した&実用性も高かったので、追加要素の中でも良かったポイント。
一方で、収集物関連のクエストは水増し感がありあまり手を付けなかった。ブラックボックスやヴィスタポイントなどは、少し手を付けただけでコンプはしていない。
また、相変わらず動物の素材を集めるのが面倒。本作から「タスク」システムが追加され、欲しい素材がどの地域で獲得できるかおおよその位置が分かるようになったのだが、「フクロウを射るのにそんなに移動しなきゃダメかねえ!?」と嘆じることも多々。一部素材は買えるんだけどね。
戦闘はあまり変わらず
- 槍攻撃で弱点が出現し、射撃攻撃で大ダメージを与えられる「レゾネーターブラスト」
- 義勇ゲージを貯めることで一時的にステータスを上昇させる「戦技」
- より豊富になったスキルツリー
上記のような変更点はあったものの、戦闘自体は前作と大きく変わりなかった。無論面白いのだが。
難易度ノーマルであれば「スパイククローワー」なる爆発する投槍を使えば大型機械相手でも苦労することはない。なんなら「戦技」もほとんど使わなかった。新システムなのに……
新しい機械も出てくるが、「コイツはヤベーぜ……!」という敵は正直あまり居なかった。序盤に一体出てきたくらいで、オープンワールド特有の「いまこの敵に手出したら終わるな」が少なかったのが少し残念。それに比べてエルデンリングは!
色々書いたけど、ずっと楽しくプレイしていた。どうやら続編がありそうな終わり方である。何年後に発売するかは分かりませんが、しかしおれにはエルデンリングがあるのできっと大丈夫でしょう。マルギットで大苦戦しましたが、レナラまでは倒せました。とは言えあと何年このゲームで遊べるか……気付いたらHorizonシリーズの3作目が出てそうで、怖いです。
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