男性ブランコ単独『てんどん記』記|ライブの感想

面白かったもの

【天丼】美味しい。誰も不味い天丼を食べたことなどない。(引用:『てんどん記』上映台本付きパンフレット)

男性ブランコの単独ライブ『てんどん記』を草月ホールまで観に行った。12月25日の千秋楽公演。空席が見つからないほどの超満員!(もちろん感染対策はしっかり行われていました)

このライブがま〜〜〜〜〜良かった……! 公演は12月24日に2回と、自分が行った25日の全3回のみ。もったいない。100回やってほしい。見逃し配信チケットが買えるので、ぜひ買って。観て。

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つらつらとネタバレなしで感想を書き、その後ネタバレではないけども見ておくとライブが理解しやすくなるかもしれない要素を続け、最後にネタバレありの感想を記します。

未見の人はこんなものを読んでいないで早く配信を買ってください。あと台本付きパンフレットも最高だから買ってください。

『てんどん記』記|ネタバレ無しVer

語彙力が落ちるが、とにかく面白い&すごいコントライブだった。

各コントごとに「背景の白スクリーンにタイトル投影&演者の姿が見える→暗転→コント開始」と進むのだけれど、最初のコントのタイトル+浦井さん&平井さんの出で立ちだけでなぜか大鳥肌。

『てんどん記』はいわゆる「繰り返し見たい系」のライブだが、ひとつひとつのコントもはちゃめちゃに面白い。浦井さんの演技も平井さんの言葉遊びも冴えていて、毎コント拍手笑いが起きていた。平井さんの言葉遊びは古語もたびたび用いられるので、聞いていてはっとすることがある。

ひとつひとつのコントの、セリフのひとことひとことに仕込まれた謎(やオマージュ)が、点になり、線になり繋がっていく感覚が気持ちいい。驚きと喜びとおかしみがいっぺんに押し寄せてくるコントライブだった。出てくる人出てくる人全員善人なのも良い。イヤなやつがひとりも居ない。

公演に使用されているアニメーションもおしゃれ。音楽はトニーフランクさん(いまだに馬と魚……じゃなくてトニーフランク、と思ってしまう)が担当。所々のSEとかも担当しているのかな? コント開始時の音楽がやけに耳に残っているほか、終盤にギターの音が猛烈に印象に残るコントがあります。超好きなコント。エンディング曲も素敵でした。


(エンディングだけどこれだけ聴くだけならネタバレとかもないので安心してください。いい歌)

グッズはシャツ(アパレルブランド「途中でやめる」とのコラボ)・箸置きクリアファイル台本付きパンフレットの4種類。
シャツは一時期売り切れていたが、現在は再販中とのこと。会場で着ている人が多かった。かわいい。白シャツに黒の刺繍or黒シャツに赤い刺繍のものが販売中の様子。黒シャツに白い刺繍のものはスタッフ専用のものっぽい。かわいい。

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台本付きパンフレットはかなり満足度が高いのでおすすめ。ダヴィンチ恐山こと品田遊先生の掌編と『太郎は水になれなかった』の大橋裕之先生の漫画のほか、浦井さんが天丼食べ歩き記『天丼記』や平井さんとある人物(……生物?)との対談も掲載。


単独終了後、会場で見ていた人たちにはステッカーが配布された。

月に刺さってる。メリエスの『月世界旅行』だ。


観劇後、浅草に行く予定があったので、浦井さんの天丼食べ歩き記に載っていた「にょろ助 東南屋 浅草」で天丼を食べた。脳が溶けるくらいうまかった。きっと『てんどん記』を観た後はみんなも天丼が食べたくなるはず。男性ブランコのおかげで、一時的に日本で米や海老の消費量が爆上がりしているかもしれないです。

観る前に見ておくとよい/観劇中にチェックしながら観るのがいいかもリスト

Twitterを観ると、「ちょっと難しかったから繰り返し見なきゃ」的な感想もちらほら。なので、観劇前にチェックしておきたい要素と観劇中にチェックしておいた方が良いふたつの要素を記載しておきます。
以下要素だけではネタバレにはならないとは思うんだけども、気付きのきっかけにはなってしまうと思います。完全に0から楽しみたい人は注意してください。

チェックしておいた方がいい要素(Tap or Click)

・天気記号
・コントごとのふたりの言葉遣いの違い

『てんどん記』記|ネタバレ有りVer 感想・考察

以降ネタバレありで感想や「こういうことなのかな」的な考察を記しておきます。こちらも折りたたみにて。絶対観てから読んでほしい。「自分はこうだと思う」的な感想も聞きたい……みんなで語りたい……何かあればtwit:@cqhackまで。

絶対見てから読んでください(Tap or Click)

「旅」「ひよこ」の最後のセリフ、「本日も晴天/曇天なり」で各コントのタイトル横に付く天気記号には気付いたんだけど、どちらが曇りでどっちが晴れだっけ……と混乱してしまった。休憩時間中に曇り:◎ 快晴:⚪︎を再確認。
この天気記号がこの世界の構造にも対応していて、言葉遣いも異なる。「曇天の世界=◎=塔の外側」は標準語、「晴天の世界=⚪︎=塔の内側」は関西弁。細かい。

フライヤーに掲載されている以下テキストのルビについて。

夜半ば 曇天に烟る塔の影 扉の先で鳴る咆哮
その一切合切を 此処に記す コントで記す

「コント」に「◎◯◎」とルビが振られていることも気になった。「コ」「ト」が外側、「ン」が内側にあるっていう構造をここから作ってたのかな。

パンフレットを読むまで全然気づけなかったんだけど、「◯水族館」は『山月記』へのオマージュなんだね。鯱(しゃち)の字、虎が入ってるもんね。ひとつひとつのセリフに意図が込められている。

本当に全てのネタが好きだったけど、公演全体の謎を回収した「◯ふと思った」が圧倒的だった。タイトルの投影も完璧。
「◎曇った関心」「◯ふと思った」は、「ゴドーを待ちながら」ならぬ「ミカを待ちながら」だった。「ミカ」は「御神」(みかみ)の省略語、あるいは「神」の逆さ文字から来ているのかな?
最後にミカが作ろうとしていた「丸い世界」こそが今の地球なんだろうな。創世記だ。「旅」「ひよこ」と「曇った関心」「ふと思った」をペア=1個として考えると、全部でコントは7個。神は6日で世界を作り、7日目で(天丼を食べて)お休みになった……

全体の構成を度外視で一番笑ったのは「◎サラリーマン」。さあさん、キュートだ。

お気に入りの石なんだ。これも一緒に謝罪の一員に加えてよ。謝罪クルーに。

のりおくん、それはゲボカスだよお

ーのりおくんは悪くないよ〜、のりおくんにビショ布を着せるなんて
ー濡れ衣かな?


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