Netflix『ドリンク・マスター: 究極のカクテルを考案せよ!』が面白い

面白かったもの

少し前に公開された番組なのだけど、Netflixの『ドリンク・マスター: 究極のカクテルを考案せよ!』(Drink Masters)が面白い。ミクソロジストたちがお題に沿ったカクテルを作り、審査され、1話ごとに1人脱落していくオーディション番組なのだけど、出てくるお酒がとにかく美しい。おすすめなので少し紹介。

▼『Drink Masters』 Trailer

ミクソロジストとは

そもそも「ミクソロジスト」とは何か、というところから。

野菜、果物、ハーブなどを使って新鮮なカクテルを作る人のこと。10年ほど前からロンドンで使われ始めた言葉で、一般的なバーテンダーと区別するために用いられる。野菜などの素材に対する知識も深く、新しいカクテルを創造する意味で「カクテルのアーティスト」とも呼ばれる。
引用: 時事用語事典

書いてある通りっちゃ書いてある通りなのだが、番組内ではお酒に対する分子ガストロノミーっぽいアプローチが強調されていて面白い。分子ガストロノミーといえばヤクナムパンリエッタさんのこの記事。

【分子ガストロノミーを食す漫画】味でメチャクチャになりたい

カクテルを球化・泡化してください」みたいなお題もあるし、参加者のひとりは何かと蒸留機を使う。そういう化学的な方法でもってカクテルが作られてゆく様を見ることができる。

参加者の「この方法、やったことないけどやってみるわ!」メンタルもいい。「やるっきゃないっしょ」感と、制限時間内でカクテルを作り上げなければいけない現実的な考えがせめぎ合うのが醍醐味である。

DrinkMasters、何が面白かったか

・繰り返しになるが、出てくるお酒が美しい。


▲観ながら「めっちゃきれ〜い!」と口に出してしまうくらいきれい

カクテルの名前も参加者が付けるのだけど、あまねく素敵。


▲同じ人が作った「タルト以外」(“anything but tala”)もよかった

メンバー間のリスペクトが見れるのがいい。
Netflixのオーディション番組、例えばNext in fashion(Netflixにリンク S2楽しみ)やInterior Design Masters(自ブログの感想Postへリンク)なんかもそうだけど、競い合ってる間も言葉をかけあったり、軽口を言い合ったり、脱落するメンバーに駆け寄って涙したりする。そういう”関係性”が見えるのが好き。Drink Mastersは1回のオーディションが〜90分、短いと1時間もかからない上に、会場がそれほど広くないからか、かなり会話が発生する。「ね〜○○持ってんの誰〜?」「僕だ〜!ごめ〜ん!」みたいな交流が多い。あと、ライバルでもある参加者に「なんかこれ焦げてるけど大丈夫……?」みたいなこと言ってる人もいた。思いやり〜〜!

勝負なので、もちろんギスギスする瞬間もある。みんなプライドを持って参加しているので、「自分が勝つに決まってる」みたいな話をするメンバーも居る。でも相対するとお互いを尊敬し、尊重する姿勢は崩さない。なんかそういうの見ると胸がきゅっとするんですよね。

Drink Mastersの参加メンバー

この項以降本当に微々たるネタバレが含まれるかも。鑑賞体験を損なうことはないと思うけど、勝ち残るメンバーをメタ的に推理できたりするかもだから、嫌だったらエピソード1をすぐに観ましょう。

オーディション番組の楽しみ方として、推しを作って全力応援する方法がある。ぼくの推しはLPロイドくん


LPは先述の「野良猫以外のすべて」「タルト以外」を作ったミクソロジスト。参加メンバーの中ではかなり優等生で、審査員からも他メンバーからもずっと高評価を受けていた。想定していた方法が失敗しても、(内面はどうあれ)冷静に次の手を考えていたのも印象的。味は分からないけど、作るカクテルの見た目がいちばん好きな参加者だった。


ロイドは参加メンバーの中だと最年少の男性。とても好きなので、過去の日記Postで推しポイントを挙げている。

・お酒を作っている時のテンションが妙に高く、楽しそう

・最年少なのにしっかりしている お礼もちゃんと言える 野心もある

・もみあげに入っているお酒のタトゥーがすてき

・アイデア無限に出るせいでそれがまとまりきらないことが弱点なところ、「天才ゆえの」感があっていい

ロイドくんが「キムチチャーハンに合うお酒を作れ」なんてお題を出されているのを見てヒヤヒヤしたりしたが、溢れ出る感性と才覚でどんどん作業が進行していくのは爽快だった。

他にも、何かと蒸留機を使って失敗するけど二の矢もしっかり用意する周到さを持ったタオ、敗者復活戦の常連ながらも自身のルーツに根付いた美しいカクテルを作るスズなど個性豊かなメンバーが居る。あなたの推しも見つかるはず! みんなでロイドくんを応援しましょう。

ぼくはお酒は好きだが何飲んでも美味いし知識もまるでない。それでも大変楽しめたので、みなさんもぜひ。9%のバカ酎ハイなんぞを飲みながら観ると、「なんでこんなものを口にしているのか……」となること請け合いです。


Image&Thumbnail:Netflix

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