『最強殺し屋伝説国岡 完全版』の感想|「阪元裕吾監督作品」だ!

面白かったもの

阪元裕吾監督作品『最強殺し屋伝説国岡 完全版』、観ました。池袋のシネマ・ロサで『ベイビーわるきゅーれ』『黄龍の村』『ある用務員』『最強殺し屋伝説国岡』が4本連続上映される最高デーがあったんだよ。舞台挨拶まで観れました。


主演の伊能さんは4作品全ての舞台挨拶に登板。そして『ある用務員』の上映前舞台挨拶では、疲れからかガッツリネタバレもされていました。会場が「!?」ってなってた。しかし良き日だったな……ここからは感想など。ちょっとネタバレもあり。

『最強殺し屋伝説国岡 完全版』のあらすじ

2018年、監督の阪元は女子二人組の殺し屋を描く新作映画『ベイビーわるきゅーれ』のシナリオに取り掛かっていた。阪元は“関西殺し屋協会”という殺し屋ビジネスネットワークがある事を知り、シナリオ作りの参考に協会に取材を申し込む。協会から紹介された人物は、京都最強と呼ばれるフリー契約の殺し屋・国岡昌幸(23)だった。国岡の密着取材を行う事になった阪元が見た殺し屋の生活は、笑って泣いて悩んで恋をして友人と酒を飲む一般人と変わらない日常生活と淡々と仕事としてこなす殺しの日々だった。
ある日依頼元との連絡ミスで、間違った人間を殺してしまった国岡は、逆上した依頼元から送られてくるヒットマンと、殺された人間の仇を狙う者たちの両方に狙われる事になる。そして大殺戮の日々が始まる・・・(『最強殺し屋伝説国岡 完全版』公式サイトより

wikiによると、阪元裕吾監督の8作品目とのこと。公開は『国岡』→『ある用務員』→『ベイビーわるきゅーれ』→『黄龍の村』の順なんだね。ぼくは『ベイビーわるきゅーれ』・『黄龍の村』を同日に観て、先述のイベントで『国岡』と『ある用務員』を観た。
▼もしかしてまだ『ベイビーわるきゅーれ』と『黄龍の村』観てない人居ます? ヤバイねホント。何がおすすめか書いてるからまずこれ読んでください。あと観てないことを反省してほしい。

『最強殺し屋伝説国岡 完全版』のキャスト

キャストは「阪元ファミリー!」って感じ。主演は伊能昌幸。『ベイビーわるきゅーれ』『ある用務員』『黄龍の村』にも出演している。そら舞台挨拶4回出ますわ。

ヒットガール役の上のしおり、舞妓殺し屋の藤井愛稀は『黄龍の村』の村娘(?)役のおふたり。ポンコツ殺し屋集団の海堂力也中村(陸野?)銀次郎、粋な道具屋の安田ユウも激ヤバ村の村民として出演されていました。


そしていまぼくの一番の推し俳優と言ってもいい大坂健太さん(画像は『黄龍の村』より)。今作ではヤバイジジイが住む家の警備員を熱演。『黄龍の村』ではお兄ちゃん役、『ある用務員』では特に特徴のない(ある)殺し屋役だった。あの空気感、出そうと思ってもなかなか出るもんじゃない。本当に好き。どうやら大坂さんは京大生かつ俳優かつ監督らしい。もっと色んな大坂さんを……観たい……

image:最強殺し屋伝説国岡 完全版』公式サイト,黄龍の村(@koryu_eiga)

フェイク・ドキュメンタリー

この映画は「殺し屋に密着する」という体で撮られたフェイク・ドキュメンタリー=モキュメンタリー。殺し屋のなんでもない日常に潜む「我々の日常にはないもの」と、「いやそこは俺らとおんなじなんかい」を楽しむ映画だった。
例えば、棚の裏にライフルが雑多に置かれていたり、ピクニック感覚で狙撃を行ったりしているのを見ると「そんな感じなんだ」と笑える。
「子どもが遊ぶ公園で狙撃銃を構えるな」とへらへらしつつも、誤発注に悩んだり謝罪アポに行ったりしているのを見ると、「いやそこは俺らと同じなんかい」とまた笑える。「業務連絡いちいち電話かけます? LINEでよくないですか?」←本当にそう。でも殺し屋ってもっと……匿名性高いツール使った方がよくない?

ドキュメンタリーっぽく殺し屋の苦悩なんかも描いているけど、笑える要素が9割です。残りの1割は「アクションすごいな〜」。映画館では観客がみな声をあげて笑ってた。みずほ銀行が止まっていて支払いに困る殺し屋。行きたかった方角に知り合いが進んでしまい、「あっち行きたかったのに行きづらくなりましたね」と変な自意識を発動する殺し屋。月極駐車場のど真ん中に自転車を止める同僚を見て驚き笑いする殺し屋……さまざまな殺し屋を観ることができます。

注意点。ドキュメンタリー調のカメラ運びなので、かなり揺れる。アクションシーンなんかは人によっては酔っちゃうかも。写し方は色々工夫されていて面白かった。銃の先にカメラを置いてみたり、撮影者が戦闘に巻き込まれて映り込んだり。

脱線するけど、モキュメンタリーと聞いて一番に思い出すのはガキ使の「我が田中」。あれは普段の田中さんとのギャップを笑うものだったけど。どっちかっていうと、『国岡』は『大日本人』に近い面白さがあるかも。そう考えると、松本人志ってモキュメンタリー好きなのかな。

めちゃくちゃ「阪元勇吾監督作品」だった

まだ4作品しか観れていないんだけど、それでも「うわ〜! 阪元監督作品だ〜!」とテンションが上がる映画だった。
例えばオフビートの会話だったり、あまりにも生死に頓着がない登場人物の描写だったりにイズムを感じる。フリーターの友達が殺し屋に全く偏見を持たない感じなどもよかった。
個性豊かなキャラクターたちが次々に現れるのはボスラッシュっぽくてテンションが上がる。『ある用務員』終盤の戦闘はまさにボスラッシュだったけど、『国岡』に出てくる人物のなんと濃いこと。

なんでも、阪元監督は映画を製作する際には少年ジャンプの作品を参考にするのだとか。

日本発で世界に広まっているものはアニメや漫画なので、お手本にすべきはそこかなとは思っています。何かと「ダークナイト」とかを真似したがるんですけど(笑)自分は「鬼滅の刃」とか「呪術廻戦」を参考にすべきだと思っています。(引用:目指すは鬼滅の刃、呪術廻戦!企画と脚本のこだわりで勝負!『ベイビーわるきゅーれ』阪元裕吾監督

このインタビューを読んでめちゃくちゃ納得した。確かにあのキャラクターの描きわけはジャンプの能力バトルものっぽい。個人的に一番イメージしやすかったのはヒロアカ。あとは、「殺し屋協会」的な設定に伊坂幸太郎っぽさを感じたりもした。
あと、主演の伊能さんは『喧嘩商売』を参考にアクションシーンを考えたりしていたらしい。やっぱり面白い作品っていろんなところで参考にされて、また面白い作品が作られていくんだなと実感しました。面白いから全員国岡を観て。

あと、Googleで「最強殺し屋伝説国岡」と調べると、レコメンドワードに「実話」と出てきて笑えます。みなさん、この作品は、実話です。

thumbnail:『最強殺し屋伝説国岡 完全版』公式サイト

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